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治療の再説明受けやすく、患者に端末 厚労省が開発

 インフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)を充実させるために、患者側から気軽に再説明を求めたり、同意を撤回したりすることができる仕組みづくりを厚生労働省研究班(班長=飯塚悦功(よしのり)・東京大教授)が進めている。国立がんセンターなど全国56病院が参加し、今年度中にシステムの設計図を完成させる予定だ。患者の主体的な参加を促すことで、医療の質と満足度を高める狙いだ。

 この仕組みは、電子情報化したカルテ「電子カルテ」を介して、医療者側と患者が常に情報を共有するシステムの一環として考えられている。

 患者は病気の状態に応じ、医師や看護師などから様々な説明を受ける。現状では、患者の理解や納得が完全でないままに次の治療段階に進んでしまうといったことが少なくない。

 新システムでは、患者用の端末を使って、いつ、どんな説明を受け、どんな意思表明をしたことになっているかを、いつでも確認できる。画面上の選択肢から、再説明を求めたり、「迷っている」「撤回」などの意思表示をしたりもできる。情報は即座に伝わるので、医療者側も患者の不安などに即応できる。

 患者用の端末はベッドサイドや病棟の廊下などに設置され、患者本人や患者から依頼された看護師が入力する想定だ。

 研究班の水流(つる)聡子・東京大助教授や、中西睦子・国際医療福祉大教授らが96年に東京都、神戸市、広島県の6病院で実施した患者調査によると、生命や生活に大きな変化を伴う手術をした約160人のうち、18人(11%)は医師の説明をあまり理解できていなかった。まったく理解できなかった人も1人(0.6%)いた。28人(17%)はインフォームド・コンセント後に気持ちが変わり、撤回を考えていた。

 水流さんは「説明を受けて、そのときは分かったつもりでも、実は理解できていなかったということは少なくない。新システムは、説明が治療の中でどんな位置づけになっているかを患者本人が把握でき、次にどんな説明を受けるかを予測できるものになる。疑問があいまいでも、気兼ねなく医師側に説明を要求しやすい。患者も参加して医療の質を高めるシステムになる」と期待している。

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