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おばちゃんら1万人対象に値切り行動調査 大阪の学生

 値切り上手は「大阪のおばちゃん」、それとも「東京のおばちゃん」? 大阪の男子学生が、ブランド商品の中古セールを回って、東西の消費者の行動を調べている。値切りに成功したと感じる比率は、意外にも東京が最も高かった。この学生、調査が高じて、値切り交渉の手伝いまで買って出始めた。

 東京・池袋で9月下旬、ブランドのかばんなどの中古品市があった。関西を中心に20店が出店した。追手門学院大学(大阪府茨木市)の経営学科4年、西村真澄さん(21)が店を回り、来場者に値切り行動のアンケートを始めた。書類への記入と聞き取りも頼む。

 「欲しかった2万4000円の財布を2000円値切って買ったのよ」。都内から来た50歳代の会社員女性は満足げに西村さんに語った。しかし、西村さんは「まずは1万円以下の端数を削ってもらう。その上で店員や商品を褒めて、さらに値切れたでしょうね」と応じた。

 そのあと、西村さんはすかさず、この女性が買い物をした店を訪れた。大阪から来た店員は「東京の人は交渉が10秒で終わる。『これ以上まからない』と言えば、引き下がる。30分も粘られたら、なんとか安くしてあげたいと思うけど」と打ち明けた。買う側と売る側の意識の差を、西村さんはメモした。

 西村さんの観察によると、東京の客は総じて淡泊。「原価ぎりぎり。これ以上まけたら、私の帰りの交通費がなくなる。500円だけなら」と店員が言えば、「じゃあ、それで」とあきらめる。

 大阪のおばちゃんは違う。例えば値札に「2万9800円」とあると「あかん、あかん。こんなのあったら気持ち悪いわ」と言って9800円を引かせる。間髪入れず、店員の容姿や服装のセンスを「それいいわあ。どこのやつ」などと褒める。会話が乗ったところで、さらに値引きを頼む。掛け合いを続けて値札の半額近くまで安くさせたケースも見た。

 西村さんは京都府長岡京市出身。どこでも値切る大阪の消費者に面くらいつつも、「あの人たち以上に値切る人がいるのか」との問いを抱いたのが、調査のきっかけだ。

 ゼミの研究として05年1月から、大阪、神戸、広島、札幌などでの中古品市に足を運び、主催者の作業を手伝いながら調査してきた。10回の調査で男女1万人強から回答を得た。その蓄積をもとに、消費者へのアドバイスも各地でしてきた。

 11月に集計したこれまでの調査で顕著だったのは、「値切りに成功した」と答えた大阪人の少なさ。大阪では計4回調査したが、平均27%。それに対して、東京48%▽広島47%▽札幌35%だった。東京では「値切り交渉はしない」と答えた人が12%で、大阪は平均9%だった。

 西村さんは「大阪では値切るのが日常なので、ちょっとした額では成功と言えない。東京では値切る場面が少なく、少額の値引きでも喜ぶ。機会があれば、値切り上手の関西人並みの手法を伝えたい」と話す。

 消費者の値切り行動を見込んで経営戦略を組み立てる。そんなやり手経営者になるのが将来の目標だ。調査は卒業まで続ける。


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